上伊那の野山を駆け巡った野性のニホンジカの鹿革製のデイリーバッグです。

上伊那地域で獣害駆除により捕獲された鹿のなめし革を使用しています。非常に柔らかく、使うほどに馴染み、ツヤも増します。変色も伸びも鹿革の持つ味としてお楽しみください。
　これだけの量の革を使うのは、一頭というかたちの中からだと、厚みや風合いが均一で傷のないところばかりというのは難しいので！！表示金額は参考価格です！！ご相談に応じます。
　レインボー染めの麻糸は、天然ミツロウでろう引きし、チェーンステッチであしらってみました。
　形はレジ袋がお手本です。
レジ袋やエコバッグの持ち手が腕に食い込み、アザができてしまったり、角ばったものを入れて持ち歩いているうちに途中で破けて酷い目にあった経験ってないでしょうか？　革ならば破けません。全て手縫いで、開き口は重ね縫いするなど、自分が使うならどう思うかを考えて、しっかり縫ってあります。
　買い物じゃなくてもちょっとオシャレにカラーで遊んでアクセントにしたバッグにしてあれば、普段使いのバッグにしておけるという発想です。
　サイズは、A4サイズが横にジャストサイズで入ります。縦に入れても腕が通るサイズになっています。写真は、A4クリアホルダーに入れた書類を置いて、また、入れたかたちで撮影しています。バッグと日常量の買い物程度のレジ袋のどちらにも使えるよう想定しています。
　あえてマチをつけなかったのは、平たくたためるから。ミミを両側からポケットを中心に折り、そのあと上下にたたむと、小さくまとまります。
　ポケットは、手提げ部分の切り取り部分を使ったもの。長方形に切り出した革を無駄なく使いました。内側の同じ位置に同じサイズのワンポケットをつけてあります。鍵やカードケースなど、ちょっと小分けにしておきたいものを入れるのに便利です。
　一回持って出かけてみました。腕を通して持つと、レジ袋のように食い込まず、腕にアザが残ることもないし、太めの持ち手も滑らないで安心です。

　仕上げにミンクオイルを塗り込んであります。防水と防汚と革への油分の補給です。油分を補えばしっとりするのは、人間も同じ。こうしておけば、多少の汚れは同じくミンクオイルで落ちます。

一つの命の末の姿、大事に長く使ってもらえますように。

【使用している鹿革について】
獣害駆除により捕獲された鹿の革を1頭単位で直接猟師さんから買うため、部位によって厚みの差や生活傷や銃弾痕などもあります。デザインとして活かしたり、命の果ての姿に対する敬意として、できるだけ捨てないよう、デザインや機能に支障を来さないと判断した部分は使っています。オーダーの際、写真などでご確認ご了解をいただくように考えておりますが、ご了承の上、ご注文ください。

【作品の仕様と返品について】
全て手縫いのため、ミシンのような均一性をお望みの方にはお勧めいたしません。
また、返品・返金には応じかねますので、ご注文前にメール等でご相談ください。写真送付などで十分納得いただいた上でお決めいただけるよう、誠意以ってご対応させていただきます。

【革のお手入れについて】
ミンクオイルなどを布に取り、軽くこすり拭き取ってください。たくさん一箇所に塗ると油シミになりますが、これも本革の味だと楽しんでいただければと思います。


■「mi・sato」について

「み」は、「美」であり、「御」です。次に続く言葉を高め尊ぶ美称です。「さと」は、「里」「郷」。人の住むところ。

「みさと」は、郷土への愛と敬虔を表わす素晴らしい言葉だと思っています。万葉集に現れ、高貴な人の住む素晴らしい尊い場所を意味すると聞いて育ちました。論語には「里仁為美」とも記されています。 「里」は二十五軒の家からなる集落で、「里（り）は仁（じん）なるを美（よし）と為（す）」とも訓読します。「村落は仁徳のある人が多く住んでいるところがよい」「人の住む里については、仁に溢れた場所が良いところ」というような意味です。
古い時代からの、土地の素晴らしさを表してきた言葉…。
私は伊那というこの地が好きです。山並みも緑も川の流れも食も文化も人々の温かさも、大好きです。そういうものを大事にしながら、その恵みにあやかりながら、ここで暮らしていきたいと思っています。そして、それらを伝えていけたらと思います。こうした思いのもとに作ったものに、この言葉を冠してありがたさと敬意を表していこうと思いました。

「mi・sato」は、そんな日本語の音（おん）を日本人でない人にも比較的わかりやすいアルファベットで表したものです。